ジョイントの作製
船体は4分割である。全長3.2mなのを、前後に2分割、左右に2列ある。それを幅1.4mの“H”字型に結合する。下の写真がそのジョイントの支柱類だ。船体の前後をつなぐ支柱は長さ80cm。左列と右列をつなぐ支柱の長さは1m10cmである。
前回の失敗から教訓を得て、組立および分解には、極力ボルト・ナットは少なくしたい。本来ならボルトとナットは、前後の船体を結合するのに2組、それが2列で4組、さらに船体の表と裏で2倍、次に左右の船体を結合するのに4組、合計12組が必要となる。しかし、表と裏のボルトは独立させず、長いボルトを船体裏から表に貫通させ、さらに前後と左右のジョイントを重ねて、ボルトを共用することにすれば、3分の1で済む。その結果、ボルト・ナットの数は必要最小限の4組に減らせた。
これらの支柱を使って実際に船体を組み立てると、下の写真のようになる。
こうして、ボルト・ナットの数を削減できた反面、その弊害も2つある。ひとつは、組み立てにくくなったことだ。一度に各部の平行・直角を実現し、一気にナットを締めなければならない。ナット1つを仮締めするごとに、各パーツの配置を調整して、というような組み立て方ができなくなった。恐らくこの問題は、組み立てに慣れれば、自然に解消するだろうと思っている。
補助的ジョイントの追加
もうひとつの弊害は、“H”字型では、ジョイント部の剛性が不足し、船体の左列と右列のねじれや、左右スライド方向へのしなりが大きすぎることだ。おまけに力が加わるたびにギシギシと音が鳴る。今にも壊れそうで心配だ。
そこで、前後にさらに1本ずつ支柱を加え、梯子型にする。前後に追加する支柱は、中央部の支柱ほどの強度は要らない。中央部の支柱の上にはデッキを設けるが、前部に追加する支柱は単なるスタビライザーだし、後部に追加する支柱はスクリューと舵を固定するだけだからだ。中央部の支柱は2×4の角材だが、前後の支柱はその半分の1×4の板だ。
これによって効果はあった。ずいぶん剛性が増した。それでも、船体のしなりは完全には防げない。しかし剛性がある半面、限度を超えるといきなり船体がバキッと行くよりも、支柱が幾分しなって持ち堪えてくれる方が、むしろ好ましいと思う。
こうして、船体は完成した。あとはペンキを塗るだけだ。
パドルの作製
この後、船体に塗装を施したら、この段階で海に浮かべてテストを行いたい。しかしパドルがないと、それもできない。
前回の失敗から、パドルは、カヌーのようなシングル・ブレードより、カヤックのようなダブル・ブレードの方が具合がよいと、はっきりと結論を得ていた。
前回の失敗作のパドルからアルミパイプを切り取ってシャフトとして再利用し、水を掻くブレードの部分は合板を直径40cmに切り抜いて、接着剤で貼り合わせた。
しかし、これは失敗だ。直径40cmは少し大きすぎた。外周部をカッターで切り取って、直径30cmに縮め、改めて貼合わせることにした。
直径を30cmに縮めた際、側面に隙間ができたので、合板で塞ぎ、水の抵抗をなくすためにブレード外周部のエッジを薄く削った。
それに内側からと外側からエポキシを塗って、内部に海水が侵入しないように、防水処理を施した。
この2つを、中央部に長さ延長用のジョイント部を設けて繋ぎ、完成する予定だ。