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擬似オフセットグリップという解答

 以上のように考えると、右手が握るグリップと左手が握るグリップを、ストレートな1本のものとして考えるのではなく、別々に考えなければならないということになる。その姿は、下のイラストのようなものになるだろう。

最後のヒント

 右手が握るグリップは、ロッドブランクとは角度をなし、キャスト時にいくぶん右側(イラストでは下方)に曲がっている。片や、左手が握るグリップは、右手のグリップの延長線上にあるのではなく、ロッドブランクからの延長線上にある。こうして2つの軸がクロスする。その角度はそれほど大きくなく、シングルハンドのオフセットグリップと同等か、それより少し大きい程度だ。
 では、それをブランクスルーで実現するにはどうすればよいか? つまり、ブランクスルーでありながら、右手のグリップと左手のグリップが異なる角度を持ち、右手のグリップはオフセットタイプと同等の効果を発揮する、そのようなダブルハンドグリップを実現するには? その課題に対する私なりの答えが、擬似オフセットグリップである。

プロトタイプ

 こうして私は「右手首の角度問題」を解決した。だが、私にとって「右手首の角度問題」として立ちはだかったものが、別のアングラーにとっては姿を変え、「どうにも克服できないバックラッシュ問題」として直面しているかもしれない。両者は同根であると私は認識している。

自然な手首の角度

 この擬似オフセットタイプが、真正のオフセットと異なるのは、ブランクスルーであることと引き換えに、リールの位置を低くする効果がないことだけだ。

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