駆動パネルの完成
駆動パネルが位置するのは、船体後方の中央部、半分が海面下に沈む低い位置だ。このパネルがスクリュー・プロペラと舵をホールドし、ペラと舵を水中に没しつつ、シャフトで機関ケースの動力(人力だが)と繋がり、駆動力を発揮させる。すなわち、前に進んだり、バックしたり、左右に曲がったり。
プロペラも舵も、それぞれのシャフトの回転によって機能する。したがって駆動パネルは、シャフト及び軸受けを、2枚の板で挟む構造になっている。機関ケースと異なり、2枚の板は隙間を開けず、直接接着されている。だからこれをケースとは呼ばず、パネルと呼ぶ。
2枚の板は、1枚当たり18mmの厚さがある。貼り合わせて36mmの厚さとなり、ずっしりと重くなる。しかし、シャフトと軸受けを埋め込まなくてはならないので、ある程度の厚みは覚悟しなければならなかったのだ。
舵もまた、貼り合わせた2枚の板である。中心にシャフトが通っている。舵板には大きな水圧がかかるが、このシャフトが空回りすることが心配だった。だからシャフトには枝を設けた。また、木目に沿って割れてはいけないので、2枚は木目が直行するように接着した。
2枚の板を貼り合わせてシャフトと軸受けを埋めるのだが、その2枚もまた木目が直行するように貼り合わせた。強度が心配だったからだ。その結果、できあがった駆動パネルの重量は、5kgに達した。少し重すぎるが、ここは安全第一。沖合でボートが破損もしくは航行不能に陥るのだけは避けなければならないのだ。