水平線
章頭
次章
目次

ノブの作製

 今回はノブをEVAで作る。他の材料もさまざまに試したが、どれもよくなかった。ゴムでは劣化してべったりと黒い汚れが指に付く。木では塗装がつるつるして滑りやすい。無塗装の木でいこうかとも思ったが、やはりこのパーツの色は黒でありたい。そこで、EVAを試す。
 EVAは、しかし、削りにくい素材だ。こつがある。粗いサンドペーパーで一気に削ること。間違ってもカッターなどで最後まで整形しようとしないこと。柔らかい飴のような粘り気があるから、刃物がさっくりと入らない。
 粗いサンドペーパーで削ると、表面がざらざらになって、きれいな仕上げにならないと思いがちだが、それでいいのだ。使っているうちに指先で擦られて、きれいな仕上げになる。
 穴径7mmのEVAに、ネジ山を削り取ったM4のステンレスナットを埋め込み、スリーブとした。これでシャフトもスリーブもステンレスとなり、ボールベアリングなど必要なく、軽く回る。

 少し大きめのノブにした。親指と人差し指でつまむだけでは心もとない。小さなつまみで大魚と対戦し、ぎゅっと力を入れて巻くと指が攣る。そこで、先端部を反り返らせて、人差し指と中指の2本がかかるようにした。

水平線
水平線