ソアレBBのオシレーションの仕組み
次に、シマノのスピニングリールを点検してみよう。ダイワと同じなのか、違うのか、とても興味が湧く。
サンプルはソアレBB C2000PGSである。アジング用に買った、レブロスより小さなリールだ。
スプールの巻き形状は、ダイワとは異なり、先太りではなく平行で、なおかつダイワと同程度に凹凸がなく平坦である。シマノは巻き形状を先太りにせずに、スプールエッジに傾斜をつけた。巻き形状が先太りではなくても、スプールエッジの傾斜が、ライントラブル軽減の、同等の働きをする。
ソアレはウォームシャフト方式
ソアレの本体カバーを開けてみた。シマノのリールは足ごと外れるんだね。最初、カバーが開かないと戸惑ったが、カバーは反対側だった。
わは。シマノはウォームシャフトを使ってるよ。ベイトキャスティングリールのレベルワインダーと同じじゃないか。これなら完全に等速往復運動を実現できる。
ダイワはS字カム、シマノはウォームシャフト。2大メーカーと言われて張り合っているようだけど、横並びで相手と同じことをしようとするのでなく、こうやって個性があるのは楽しいな。
機械としては単純なS字カムより、ウォームシャフトの方が複雑で、コストもかかるだろうに、シマノは完全な等速往復運動にこだわったのだろうか? ダイワのS字カムは、実用上問題ないレベルではあるが、完全な等速往復運動ではなく、近似的にそれに近づけただけだから。それとも、コスト的におそらく優位なS字カムは、ダイワの特許で、シマノは使えないのだろうか?
スプール幅の謎
シマノのウォームシャフト方式が完全な等速往復運動を実現しているとすれば、スプール幅によって巻き形状を調整する必要などないから、オシレーション幅とスプール幅がぴったり一致するはずだ。そう思って実測してみた。
ところが、予想と異なり、わずかな差がある。スプール幅は13mm、オシレーション幅は約12.5mm。ABUの1.4mmや、ダイワの1.5mmほどではないが、シマノもやはり0.5mmほど、スプール幅の方が広いのだ。
これはなぜ? もしかしたら、オシレーションの遊び分として0.5mm程度を見込んだのかもしれない。完全な等速往復運動だと、折り返し付近で減速しないため、方向転換のショックがあり、寸法の遊びががたつくのかも。ま、ここはあまりこだわるところではないね。
方針決定
では、私はカーディナルにどのようなチューニングを施そうか。ダイワ方式がいいのか、シマノ方式がいいのか。
それにまだ、33でいくか44でいくかさえ、決めていなかった。33ならアジングに、44ならマルスズキやヒラスズキに使うだろう。今回は単に「ちょっとスピニングに浮気」というわけではないので、本格的に44でいこうかな。
ウォームシャフトの自作は難しすぎてできないだろうから、作成が簡単そうなS字カムに魅力を感じる。でも、私はS字カムは使わない。独自のカム方式で、完全な等速往復運動を実現しようと考えている。それは「無限カム」だ。
これより「カーディナル44、無限プロジェクト」を発動する。