これがフライフィッシングにおける私の進歩を促してくれたタックルだ。ウエダのスーパーパルサー8フィート半の6番と、アブ・ガルシアのディプロマット256。確か30年ぐらい前に、生野銀山湖のニジマスを釣るために買ったんじゃなかったかな。あの頃、銀山湖の近くに住んでいて、ちょっとだけフライフィッシングをかじったんだ。それ以来、ちゃんと使ってやったのは実に久しぶりだった。
私にとってフライフィッシングは、決してメインの釣りではない。私が一番好きなのは、ベイトタックルを使った「ぐりぐり、どかん」の釣りだ。言い換えれば、やる気のある大きな魚との接近戦。ではそれ以外の、もっと繊細でテクニカルな釣りはどうする? 選択肢は3つ。スピニングか、ベイトフィネスか、フライフィッシング。このうち一番嫌いで、金輪際やりたくないのがベイトフィネス。ときどき無性に入れ込むけど、使いこなせず苦手なのがスピニング。いまだに初心者から抜け出せず、未知の領域なのがフライフィッシングだ。
最近そのフライフィッシングで、少しだけ進歩を実感できた。それが嬉しくて仕方がない。そのきっかけは、タックルを8番から6番へ落としたことだった。そこで次の進歩を獲得するための道は? A、このまま6番で経験を積む。B、さらに番手を落として4番でやる。C、8番へ立ち返ってもっと大きな魚を狙う。
私はBが進むべき道だと考えて、今日、またもやバイクで東京のフライショップへ行ってきた。ところが、私の考えを聞いて、店主は笑った。「海で4番はあり得ない」と。いいんだ。今から40年前、「海でベイトはあり得ない」と散々笑われたんだから。私は考えを曲げず、ロッドとリールを注文した。しかしコロナ騒ぎのせいで、生産と流通が滞り、入荷は来年の3月頃だという。とすると当面はAとCで行くしかないのか。
よし。年内の釣りは、メッキとセイゴに加え、フライフィッシングで挑むスズキだ。目標は80cm。とすると磯のヒラスズキは年明けまでお預けか。