水平線
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 磯に立ったら、意外に小さな波。予報では2.5mだったんだが。そこで一番波の立つエリアに進み出た。さすがにそこは波が襲ってくる。でも、危険というほどのことはない。頭から飛沫をかぶって、ずぶ濡れになるだけだ。それさえも、少し下がって岩陰からキャストすれば、避けることができる。
 数投目でヒット! ヒラスズキだ。目の前の少し高い岩越しにファイト。割と簡単に寄ってきた。それほどのサイズじゃないな。60cmくらいかな。でも、それがいけなかった。魚は岩の下に潜り込んだ。まずい。前に出ないとリーダーが岩に擦れる。
 その判断は少し遅かった。先端に出たときにはすでにリーダーが岩に引っかかり、魚は岩と引っ張り合いっこをしていた。ロッドをあおってもリーダーが岩から外れない。フジツボに食い込んだ? もたもたしていたら、ぴんとロッドティップが跳ね返った。切れた? そうではなかった。スナップが伸びていた。さらにリーダーに結びこぶがひとつ。魚のやつめ、リーダーの輪の中をくぐったな? どんだけアクロバティックなファイトをしたんだ?
 バラして惜しいサイズではなかったが、やはり悔しかった。最近、波静かなビーチのナイトゲームに熱中していたから、感覚がヤワになっていたんだな。海水温はまだ高いから、波をかぶったところでなんてことないのに。それを嫌がって無精したからいけないんだ。ちっ。でも、もう大丈夫。ヘビーでハードな感覚が戻った。そのあとびしょ濡れになりながら、目一杯頑張ったから。ノーヒットだったけど。

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