ずっと魚が釣れなかった。そこへ友達から、1月22日の夜から23日にかけてのアジングの誘いを受けた。二つ返事で応じた。これで久しぶりの魚にありつける。それに、スピニングタックルへの愛が、めらめらと燃え上がった。
夜のうちはアジ絶不調。湾内の堤防からスタートすると、アジの気配が全然なくて、その代り、明りの一角でセイゴがほどよく釣れた。その後移動した外海に面した港では、海タナゴとメバルが1匹ずつ。アジはまったく無反応だった。外海から冷たい水が入り込んでいるのだろう。どう考えても湾内の方が魚の活性が高かった。
朝マズメを湾内の堤防で迎えることにした。相変わらずセイゴの反応は良かった。そして日が高くなるにつれて、そこにパラダイスが広がった。カマスとアジの大群が入ってきた。
動画は、友達と二人でカマスとアジをだらだらと釣り続け、日没後に独りで再びセイゴと遊んだだけのことだ。やってる本人は楽しいけど、他人が見てもつまらない。ドラマなんかなんにも起こらなかった。
徹夜で疲れてはいたが、暗くなってもなお執拗にセイゴの当たりを待ち受けていた。そこへ一本の電話がかかってきた。それはこの数カ月ほどの間、私がコントロールしていた仕事上のあるリスクの成熟を告げるものだった。その翌日から翌々日にかけて、とんでもない危機が訪れた。がっかりした経営者が、思わず涙ぐむほどのものだった。それから一週間、事態の先鋭化を抑え込んで、なんとか安定化を図る日々が続いた。私は主に情報収集と状況分析を担当した。悪夢だった。これは本当に現実なのか?
あぁ、釣りに行きたい。それがこの一週間の思いだった。