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 昨年12月初旬だったろうか。知り合いのアングラーから聞いた話だ。ある港の外側のテトラ帯で大きなアジが釣れ盛った。聞きつけた釣り人たちで大変な混雑となり、早朝から場所の取り合いが繰り広げられた。そこへヒラマサが回ってきて、ちょっとした騒ぎが起こった。
 しかし、所詮は他人から得た情報だ。そこへ参戦してもつまらない。私は港へは行かず、お気に入りの磯に通った。そこにもヒラマサはいるにはいた。遠すぎてとても届かないぐらいの沖でボイルしていた。
 12月下旬、一頭の巨大なヒラマサが小魚を追って、背中で海面を盛り上げながら浅瀬に突進してきたのを見た。思わず「一頭の」と表現するほどの魚体だった。慌ててペンシルを回収してそっちへキャストしたが、反応はなかった。その迫力に熱くなり、その後、ほとんど毎日そこへ通った。条件のいい日は少なかったが、イワシの群れが接岸していることはわかっていた。
 これは年が明けても持久戦か?と思ったが、その時すでに黒潮は遠ざかりつつあった。とうとう昨日には流れが消えた。そして、今まで18℃以上あった水温が、今日一気に15℃まで下がった。もはやこれまでか。私の2015年は今やっと終わった。これからはヒラスズキへとシフトする。

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