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AW1の除湿

 いよいよAW1の徹底的な除湿に取り掛かる。ジップロックにシリカゲル(Aタイプ)の小袋をたくさん入れて、そこへAW1本体と外したレンズを密封した。そのまま三日三晩置いて、ジップロックの中の湿度は10%にまで下がった。最近の気温のせいなのか、かつて試した際の3%までは至らず、これ以上湿度は下がらない。とは言え、これで極限まで除湿できたはずだ。
 心配なのは、過乾燥がカメラに悪い影響を与えないかということだった。ネット上には、シリカゲルAタイプは強力すぎてカメラの樹脂パーツに悪影響を及ぼすから、より穏やかな効果のBタイプを使用すべし、というアドバイスが複数見られた。それによると、樹脂はもともと吸湿性を持っており、湿気を吸うと膨張し、乾燥すると収縮するのだが、それがパーツの精度を狂わせることに加えて、過乾燥は樹脂製パーツのひび割れ等の原因になるからさらによくないのだとか。その点、シリカゲルのBタイプは、湿度が高いと吸湿し、逆に湿度が低いと湿気を放出するので、湿度を一定に保つ性質があるのだという。
 しかし結露防止のためには断然強力なAタイプの方が効果的だろう。だから私は、前回の修理の際にニコン宛の手紙を同封して、事前に質問したのだ。「カメラの乾燥にシリカゲルAタイプを使おうと思っているが、AW1には過乾燥によって悪影響が及ぶような樹脂製のパーツは使われているのか?」と。それに対するニコンの回答は、「レンズのお手入れ方法につきましては、お客様のお手入れ方法で問題ございません」だった。これでは微妙に答えになっていない。不安なのは、「シリカゲルAタイプでいい」とも「悪い」とも、はっきり答えていないことだ。しかしこの間のニコンの対応にはがっかりさせられ続けている。再度の問い合わせをしたところで、無駄な努力に終わるだろう。シリカゲルAタイプがまずければ、ニコンははっきりそう言ったはずだ。だからやってみよう。実践の中から自ら答えを見つけるしかあるまい。

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