昨日、ニコンAW1が修理から上がってきたと連絡があった。私は勇んで預けてあった販売店へと向かった。修理に出すときにニコンの担当者に質問の手紙を添付したのだ。その回答が知りたかった。その質問とは、AW1本体とレンズは装着した状態で相互に空気の行き来があるのかどうか、AW1には過乾燥に弱い樹脂製のパーツが使われているのかどうか、他何点かあった。
販売店でカメラと伝票類を受け取り、今回の修理が保証期間内の無償修理であることを確認して、まずは安心した。そのまま持って帰って、担当者からの回答を探した。修理伝票の備考欄に「レンズのお手入れ方法につきましては、お客さまのお手入れ方法で問題ございません」という簡素な回答が書いてあった。この回答は意味不明だ。くそっ、質問の趣旨が誤解されないように、なぜそのような質問をするのか経緯を詳しく書いたことが却ってあだになったのか? 担当者はその長い手紙を読むのが面倒だったので、ぞんざいな回答を書いてよこしたのだ。私はニコンのとった態度に悲しくなった。
さらに不可解なことに気付いた。その伝票には「日研テクノ」という社名が記載され、ニコン認定の修理業者と記されてあった。ははぁ、ニコンのやつ、修理を下請けに出しやがったな。そしてニコンの担当者は自ら私の質問に答えず、下請けの担当者に丸投げしたに違いない。私は無性に腹が立った。それだけではなかった。今回の修理、パーツの組み立てにミスがあり、ズームリングが上下さかさまに組み付けてあった。写真はカメラを下から見たものだが、ズームリングに記された焦点距離の表示は、本来はカメラを上から見たときに見えなければならないものだ。
私は販売店に苦情を申し立てに行った。「ニコンの保証期間内であるにもかかわらず、ニコンが責任をもって修理しなかったばかりか、下請け業者に丸投げする。そしてパーツの組み付けは上下さかさま。高価な買い物をしたのに、こんなぞんざいな扱いを受けたらとても不愉快だ。修理を日研テクノなる会社に依頼するのは、あなた方販売店の事情なのか、それともニコンの事情なのか、まずはそれを知りたい」と私は告げた。店員は「私どもの修理センターから依頼しているようなので、修理センターの担当者に確認してみます」と答え、とりあえず再修理のためにカメラを預かっておいて、私の質問には後に電話で回答を伝えると言った。
電話はすぐにかかってきた。「今回のAW1の修理は、私どもの修理センターから日研テクノへ送られましたが、実際の修理はニコンが行っています。その証に、ニコンの修理伝票も同封されていたはずです」。答になっているような、なっていないような。あとで「日研テクノ」をネットで調べてみると、良い評判も悪い評判も、両方あった。そして各メーカーのカメラの修理を日研テクノが一括して行っているのは、カメラ販売業界の「大人の事情だ」とされていた。
ふん。どうでもいいや。ニコンからはかつてのABUと同じ匂いがプンプンする。ユーザーと真摯に向き合わないのなら、そのうち滅びるに違いない。最終的にはちゃんとした一眼レフを買わなければなるまいと思っているが、滅びゆくニコンの一眼レフを買うのは危険だ。複数のメーカーとの間で規格を統一しているパナソニックかオリンパスにしよう。