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 サバと遊んだ。タックルはアジング用しかなかった。しかも間違えて買ったメバル用ロッドだし。もっとも、アジ用ロッドとメバル用ロッドの違いを、私は理解していないけど。
 PE0.4号に、リーダーはフロロカーボンの1号。10gちょっとのジグを沈ませると、短時間の間にヒットが続いた。本人は楽しいけど、周りにはとても迷惑だ。現に1本目を掛けたときには横走りされて、「すみません、すみません」と言いながら、隣2人のロッドの下をくぐらせてもらった。ビデオに収めた次の魚は、少しドラグを締めて、とにかく走られないようにしゃにむに巻いた。それがいけなかった。
 この魚の後にもヒットさせて1本獲ったが、その後はしつこくラインがガイドに絡みつく。くそっ、Kガイドなのに。結果、5回のキャスト切れ。なぜだ? 急にどうしたんだ? うんうん考えて気づいたのは、スピニングリールはドラグを滑らせると糸撚れがかかるということだった。きっと、走られまいとして採った「君が釣れるまで巻くのをやめない作戦」がいけなかったのだ。
 ときどき無性にスピニングタックルが使いたくなるが、いつも私の片思い。ふられてひじ鉄を食らい、「これだからスピニングは」と舌打ちをする。だけど、かといってこれに代わるライトなベイトタックルを、私はまだ完成させていないのだ。あ〜ぁ、これはきっと「早くライトなベイトロッドを作れよ」と言う、神様のおぼしめしに違いない。わかってるさ。いま、構想は練っているんだ。

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