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 沖から岸に向かって吹く微風。準備万端、いよいよ損傷を修復したボートのテストだ。今日は釣りはしない。丸1日、ボートを漕いでいよう。私のボート作りを応援してくれている解体屋の会長が「後で見に行く」と言ってくれた。
 午前11時前、ビーチから出航した。結果、今回は成功としておこう。さすがは鉄製のギアだ。歯飛びはなく、しっかりと噛み合っている。会長が指笛で私に合図したとき、私は「成功!」と答えた。
 しかしこのボート、船足が鈍重で、とても釣りには使えない。不良個所がなくても、もともとの性能が低すぎるのだ。ペダルがずっしりと重く、スピードが全く出ない。時速2kmいかないぐらいだ。それはなぜなのか。駆動系を作り替えたとき、ギア比を10から8に落とし、クランクの長さを180mmから170mmに縮めたからか。いや、そもそも65kgもの自重が重すぎる。
 夏のシイラ釣りは今年もお預けだ。取り組みの第3期として、もっとスピードの出るボートを作ろう。完成はいったいいつになるのか。

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