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 3月9日。いろんなことがあった。
 会社の同僚の黒鯛師と釣りに行く約束があった。午前10時、ゆっくりめのスタート。だったら、朝一はヒラスズキ行っちゃうよ。でもそれはボウズ。
 10時5分前、クロダイのポイント到着。先に来ていた同僚は、もう準備を終えつつあった。「ずいぶん張り切ってますね」「いや、今日は土曜日だから、早めに来て場所を確保しておかなきゃと思って」。そうなのか。ありがとう。そう思いつつ、ゆっくり朝ごはん。海を見ながらサンドイッチをかじっていた。
 背後から何か投げつけられた。脇腹にドサッと当たった。痛みはないが、驚いた。なんだ? 手に持っていたはずのサンドイッチがない。頭上を見れば、トビ。やったな、この野郎。人差し指の腹がトビの爪で切り裂かれていた。じわっと血がにじんで、ぽたぽた垂れる。痛い。
 2回目だよ、手に持った食い物をトビに奪われたのは。なんてやんちゃなやつなんだ。かわいいぞ、おまえ。
 その後竿を出したものの、その場所では風が強くて釣りにならない。同僚が別のポイントへ案内してくれた。何カ所か回ったが、どこもダメ。最後に、ここがダメなら、今日はもうあきらめようと言った。そこが大当たり。浅い磯なのに、釣れる、釣れる。メジナとクロダイがポンポン釣れた。
 調子よく何枚かのクロダイを釣り上げたときに、今度はクロダイのえら蓋で親指の腹をすっぱりと切り裂かれた。またもや血だらけ。今日はよく血が出る日だ。出血大サービスってやつだな。
 同僚に感謝し、今日は本当に楽しかったと言って別れた。満足だ。帰ろう。いや、待てよ。何か忘れてないか? そうだ、おまえ、まだセイゴハンターに降格したままじゃないのか? ここらで再昇格を果たせよ。いや、まあ、そうだな。じゃ、やるか。
 ところが、サーフでの一投目、スズキ釣りに使っているディサイダ―のレベルワインダーが故障。端に寄って動かない。ラインがこんもりと山になって、巻けなくなった。ちっ、これだからロープロは。軽く作ろうとして、やわな材質を使うから、すぐダメになる。困ったな、予備のリールなんてないぞ。ということで、この日は終了。やれやれ、疲れたよ。
 そして12日、今夜。ヒラスズキタックルで、サーフに立った。いい風、いい波。これは釣れるでしょ。早々にヒット。80cm。スズキハンターに再昇格だ。

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