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 社内のシーバス・フリークと二人で話しているところへ、フカセ釣りの巨匠が割り込んできた。「オレも昔ひととおりシーバスをやったが、潮位120センチが一番釣れる。その潮位で地球と月の引力が釣り合うから、魚が口を使うんだ。その時間帯に行けば外れなしで、ずいぶん楽しませてもらったよ」。
 出たな、釣り人の似非科学。地球と月の引力が釣り合ったら、人間も海水も宙に浮くじゃないか。釣り人ってのは自分の経験に強引な科学的説明を加えたがる。
 けど、120cmって、上げ7分・下げ3分ぐらいじゃないの? 昔からよくその潮位がいいって言うよね。だったら120cmがいいってのも、まったくのでたらめってわけでもなさそう。今夜、仕事が終わったころにそのぐらいの潮位になるから、試してみようか。
 いつものドシャロー。今までのいい思いは、もっと流れが強くなってからなんだが・・・。いきなりヒット。ズババババってエラ洗い。やたら元気がいいぞ。でもチビだな。おっと、おまえ、ヒラスズキなんじゃないのか?

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