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 潮目でボイルを発見。ソウダガツオか? 派手にやってるな。ちょうどいい。シイラの前の小手調べと行くか。
 ボイルめがけて力いっぱいペダルをこいだ。すると異音が発生し始めた。ガコガコ。なんだ? ペダルが空回りしているような感触だ。力を緩めると、空回りは収まる。ところが、少し力を入れると空回りする。ペダルの回転を上げても、スクリューの回転は弱々しい。完全に滑ってはいない。しかしパワーが大幅にロスしていることがわかる。
 トラブル発生。どうする? 傷の浅いうちに引き返すか? いやいや、せっかくここまで漕ぎつけたんだ。せめて1匹釣ってから引き返そう。大丈夫だ。いざとなればパドルもある。
 動力を失ったおかげで、思ったようにボイルに近づけない。くそっ、私のフライキャスティングの腕では、ロールキャストよりも遠くにフライを飛ばすことがおぼつかない。おまけに目の前のボイルにおおいに焦った。しかし問題はフライの大きさにあったようだ。シイラ用のフライにソウダガツオはアタックしてこない。
 このあとビーチに戻ろうとしたが、風に流されて思うように進まない。スクリューの空回りがひどくなり、パドルで漕いだが、腕の力で100kgのボートを動かすのは無理だ。出発した地点よりも500mほど風下、海水浴場のボート乗り入れ禁止区域に漂着した。危なかった。横風でよかった。沖に向かって吹かれたら、危うく遭難するところだった。

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