粉々に砕け散った心の欠片を拾い集めて、日々を過ごした。ジグソーパズルのようには、元に戻らない。
写真のイサキは、8月22日のものだ。この日は友と二人で、イサキの入れ食いを楽しんだっけ。
「ちょっと深いタナはイサキだらけだよ」
「そうですか? こっちは木っ端グレばっかりです」
隣同士5メートルも離れていないのに、私はイサキの入れ食い。彼は木っ端グレの入れ食いだった。
少し移動すると、やがて友にもイサキが釣れ始めた。
その後、実に多彩な魚が釣れた。メジナ、イサキ、ニザダイ、アイゴ、イスズミ、ベラ、フグ、イシダイの子、ウルメイワシ、カンパチの子。
「8月の磯釣りって、海もダレてて釣れないと思っていたら、実はこんなに多彩な魚が釣れるんですね。これは楽しいですわ」
「ほんとだよね。覚えておかなくちゃ。8月はイサキが釣れるって。もう少ししたら、今年もまた、シマアジが回ってくるかもよ」
ちぇっ。大切な魚を忘れてるじゃないか。ヒラマサはどうしたんだ、ヒラマサは?