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スピニングロッド

 暑くて釣りに行く気にもならない。かと言って、エアコンのない部屋でボート作りに勤しんでも、結局のところ汗だくだ。涼を求めて中古の釣具屋に逃げ込んだら、このロッドと出会った。ひと目惚れだった。
 私の目を引いたのはブランクの色だった。まるでカーディナルのためのようなカラーコーディネイト。長さは8フィートで、ルアーウェイトがMAX10g、ラインクラスはMAX6ポンド。アジング用に、ちょうどこういう長めのロッドが欲しかったところだ。ニヤリと笑って購入した。
 1週間かかって、それをスミスのトラウティンスピンのような、セミセパレートのグリップに改造した。トラウティンスピンは、「あのグリップ、すごくいいな」とずっと思っていたのだが、本物のトラウティンスピンだと、判で押したように長めのロッドは大物用で、アジやセイゴに使うにはヘビーすぎるのだ。「グリップだけでも手に入らないかな」とさえ思っていたが、結局自分で作るしかなかった。
 だけど、何やってるんだ、オレ。またスピニングに手を出すのか? ライントラブルに悩まされて、途中で投げ出すに決まっているのに。いや、いや。今度は本気。ちゃんと使いこなすぞ。

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