相棒と二人の釣り。ということは、朝マズメのルアーはそこそこに、餌釣りのメジナがメインとなるはずだった。ところが今日はどういうわけか、辺り一帯に無数のヒラスズキが押し寄せてきて、それどころではなかった。
次から次へと、入れ代わり立ち代わりバイトしてくる。「ヒラスズキってバカじゃないの?」と思うほど、いくらでも飛び出してきた。そして「おれってバカじゃないの?」と思うほど、ばらしまくった。
出だし不調の相棒をよそに、私だけでバイト数は20を超えた。そのうち半数をヒットに持ち込み、ランディングしたのはさらにその半数の5本。うち1本はマルスズキだった。
サイズが伸びず、64止まり。もう数はいいから、大きいのが釣りたい。そんな贅沢な不平も口にした。
第2ラウンドのふかせ釣りでも、私は絶好調だった。荒れすぎて釣りづらい中、いいポイントを見つけた。39cmを筆頭に、30cm以上のメジナがいくらでも釣れた。
私は怖くなった。これはツキすぎだ。後できっと何かしっぺ返しを食らうに違いない。だからそのポイントを相棒に譲って、相棒にもメジナ釣り過ぎの共犯者になってもらった。そして二人で「これだけ釣れれば、もう初心者じゃないよね」と少し背伸びをしてみた。