朝一番はルアーでヒラスズキを狙う。一日の始まりはやはりルアーでなければならないと、相棒と意見が一致した。ところが、水温が下がっていたり、ベイトフィッシュがいなかったりして、ルアーにまるで反応がないと、どちらともなく曖昧な笑みを浮かべ、揉み手をしながら、おずおずと遠慮がちに言う。「うーむ、ダメですね。それじゃ、まあ、ここはひとつ、餌釣りに移行しますか?」
磯は荒れていたので、近くの漁港で竿を出すことにした。相棒がクロダイを狙い、私がメジナを狙った。ところがクロダイを釣ったのも、メジナの大きいのを釣ったのも、私だった。おまけにエイを2発掛けた。
写真の魚はこの日最大の40cm。「わっ、ボラだ。ボラが掛かった」と大騒ぎし、上がってきた魚を「違う。クロダイだ」と叫び、相棒が網に入れるときになってようやく「えっ、メジナ?」と気づいた。初心者みたいで恥ずかしいけど、実際初心者なんだから仕方ない。