水平線
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 ボート作りは難航中。これを片付けないと、釣りに行く気にならない。つくづく矛盾してる。何のためのボートなんだ? 釣りに行くためだろう? 本末転倒ではないのか。
 でも、しかたがない。やるときは集中して、徹底的にやらないと気が済まない。そうでないと頭が発熱して、自分で自分を焼いてしまう。私は危い自己破滅型の人間だから。
 とは言ってもこの暑さで、エアコンの無い部屋の中で作業していると、滝のような汗をかいて、すっかり身が干からびてしまう。だから明日は久々に釣りに行こう。スーパーで売っていたサバの口からイワシの尻尾がにょきにょきと出ていたのが気になる。サバが接岸してるんじゃないのか? そう思って昨夜のうちに準備した。
 目覚ましが鳴った。それを止めた。次の記憶はその1時間後。しまった、2度寝してしまったか。部屋の外は明るくなり始めているぞ。だけど大丈夫。海までクルマで5分。途中のコンビニでポカリスウェットを買っても、10分後にはポイントに立ってる。
 人気のポイントにはいかない。人が多すぎて楽しくない。誰も行かない場所がいい。そんな海域でも、斜め左沖300mぐらいで常時ボイルしていた。正面の200m沖では、忘れたころに魚が跳ねた。何だ? サバか、ソウダか、はたまたシイラか? 頭の形から、どうやらシイラっぽいぞ。
 ヒット! 跳ねた、走った、また跳ねた。やっぱりシイラだったか。70数センチ。ちょっと小さいな。ま、いいか。
 さ、帰って作業しよう。今日はプロペラケースを完成させたいな。

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