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AW120の除湿

 AW120はUSBでパソコンに繋いで充電する方式だ。このときカメラの蓋を2〜3時間開けていなければならない。その間に湿気を帯びた部屋の空気がカメラ内に入り込み、フィールドに持ち出した際の結露の源になる。この場合、その原因は、部屋の空気が多量の湿気を帯びていることに加え、動画撮影による撮像素子の発熱のためカメラ内の空気が温められ、外気に触れたレンズとの間に大きな温度差が生じることだ。したがってこの現象が異常なものとは、私は思わない。ただし、冷たいレンズがどのようにしてカメラ本体内の湿気を引き付け、あれだけの結露になるのかは不明だ。理屈の上では、外気が部屋の温度よりも低くなければ結露は生じないと思うのだが、実際には5月の陽光の下でも結露は生じる。もっとも、日差しは暑いぐらいでも、気温は意外に低いのかもしれないが。
 フィールドの外気温が何度であっても、そもそもカメラ内の空気に水蒸気が含まれていなければ、結露は生じようがない。それがこの問題の根本的な解決方法だ。そこでふたを開けて充電する際、本体を、シリカゲルを入れたジップロックの中に入れて密閉しておいた。写真では湿度10%となっている。これで問題解決だ。もう結露は生じない。
 実は、このことはとっくに確認済みで、問題はいかにコンスタントにこの10%にまで湿度を落とすかだった。今まで間違ったやり方をしていたので安定した効果が得られなかったのだ。いけなかったのは、充電する前にカメラを洗ったことだった。シリカゲルの特性を私は理解していなかった。強力な乾燥剤だからカメラに付いた滴などたちどころに乾燥させてしまうだろうと思っていたのだが、閉鎖された狭い空間の水蒸気なら一晩か二晩で吸い切るものの、それはほんの数滴の滴を乾燥させるだけの処理能力にも満たなかったのだ。カメラに水滴を残したままジップロックに密閉したことにより、みすみすカメラ本体内の水蒸気濃度を増してしまっていた。そのことにやっと気付いたので、今後はコンスタントに湿度10%程度を実現できるだろう。

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