数年間にわたって私の活動を支えてくれたオリンパスTG-620。本当にタフなやつだった。肝心の画質は、描写としては不満でも、記録としては十分だった。写りのあまりよくないこいつで、いい写真が撮りたいと、さまざまにアングルを変えて構図の勉強もしてみた。
その不十分な画質も、動画で勝負するならまだまだいける。むしろのっぺらぼうな映り方のこいつの方がピントの合い方が動画向きだし、そもそも動画なら動きそのもので奥行きを表現できる。
しかしこいつは、もうずいぶん古い機種だから、動画撮影時の録音がモノラルなのだ。こいつで録った波の音が気に食わない。音に奥行きがない。まるで台所で天ぷらを揚げているような音だ。とするとこいつは、静止画では画質が悪く、動画では音質が悪いということになって、全く取り柄がないということになる。
もうバッテリーがへばっている。すぐに電池切れを起こす。もはやスペアのバッテリーを買うまでもない。ここでお前とはお別れだ。今までありがとう。