沖にはカモメ。イワシが海面に乱舞する。何かがボイルしている。そいつに追われたのか、少量のイワシが岩場に打ち上げられた。ピチピチ跳ねる。すかさずトビがかっさらってゆく。
それは一瞬のチャンスだった。この後、海面は何事もなかったかのように静まり返ることになる。しかし私は、その一瞬のチャンスを逃しはしなかった。
いつものコンでもバシャでもない。ズンときた。ずるずるとラインが出てゆく。重量級の引き。右の岩にラインが擦れそうだ。できる限り左に移動して、魚を岩から引き剥がす。何度か豪快なエラ洗い。フックは1本。だが外れそうにない場所にかかっていた。
ヒラスズキ、83cm。