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 前夜。このところ連日波1.5mの凪。明日もそう。いくらなんでも、これじゃ波は立たないだろう。それならヒラマサ狙いに切り替えても、ヒラスズキから逃げたことにはなるまい。ヒラスズキが苦手だという意識から明日は解放されて、心置きなくヒラマサが狙える。
 ところが今朝になって現場に到着すると、ヒラスズキにベストとも言えるほどの波があった。うぐぐ。それでも来たからにはヒラマサ狙うぞ。ゴールデンウィーク中で人出は多かったが、空いているポイントでダイビングペンシルをぶん投げた。今日から本格稼働のアンバサダー5500Cタービンブレーキ。そもそも、軽いルアーには向いていないね、これ。だけど、重いルアーだと、後半の伸びが全然違う。
 ヒットはなかったが、気持ちよくキャストを繰り返して、今日は大いに満足した。ところが帰りがけに、気のいい常連さんから声を掛けられた。「ヒラマサかい? ヒラスズキが連日上がってるのに・・・」。そのひと言で一日が台無しだよ。ちぇっ、わかりましたよ。やりますよ、ヒラスズキ。やればいいんでしょ? だけど、夕マズメにね。
 昼寝の後の夕マズメ、磯に立った。いい波立ってるね。薄暗くなってからの短時間勝負。
 ヒット! なんだ? 大きいぞ。いやいや、これほんとにヒラスズキか? ずるずる出てゆくラインが止まらない。間違えてヒラマサでも掛けたのか? まずいぞ、根に巻かれそうだ。ほら見たことか。うんともすんとも言わなくなったじゃないか。ここはテンション掛け続けた方がいいのか、それとも緩めた方がいいのか? そのとき、根に咥え込まれたラインが、くんという感触で外れた。チャンス。巻け、巻け。
 魚を寄せたら、強い引きの理由もわかった。ちぇっ、そうだったのか。ま、釣れたんだから、いいか。

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