水平線
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 「沖の方でボイルしてた」って言ったんだけど、信じてもらえなかった。「この季節にあそこに青物は来ない」だって。あんまり悔しいから、家に帰って何度も再生した。ずいぶん遠くだし、風が強くて波があったから、確かに見にくい。それにズボズボやってたうちのいくらかは明らかにカモメだった。カモメが海面に突っ込むとあんなふうに水柱が立つ。でもカモメだけじゃなかったんだよ。あそこにいたのはきっとブリだ。しかも大きいぞ。
 信じてくれないなら、いいさ。おれ独りでやつらを迎え撃ってやるから。でもなぁ・・・。これで釣れなかったら、またオオカミ少年だよ。くっそー。

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